안녕하세요!韓国語トウミ(チューター)のちいこ@chiikoreanです。
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2017年制作の韓国映画「タクシー運転手 約束は海を超えて」は、韓国現代史の実話をもとにした映画で、韓国では1200万人を動員しました。
今記事では、これから映画を観る人には、より映画を理解しやすいように。
既に観た人には、さらに歴史背景を深めていただけるように。
「タクシー運転手」のテーマになっている「光州事件」について解説したいと思います!
光州事件とは?
概要
1980年5月18日から27日にかけて光州市を中心として起きた民衆の反政府蜂起(デモ)。
デモ参加者は約20万人にまで増え、全実権を握る軍が市民を暴徒とみなし、銃弾を浴びせた事件です。
光州事件の背景(もっと詳しく)
1945年、日本の植民地支配から解放されて以降、韓国は分断,戦争,独裁,軍事政権,民主化運動,そして経済破綻など日本では想像を絶するような波乱に満ちていました。
さて、事件の始まりは、事件の前年(1979年10月26日)に起きた「朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件」にさかのぼります。前大統領パク・クネのお父さんで、「漢江の奇跡」と呼ばれる朝鮮戦争からの経済復興を成し遂げた人でもありますが、反面、民主化運動の弾圧は激しく、18年間にわたる軍事独裁政権でした。
この「朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件」をきっかけに「ソウルの春」という民主化の機運が高まりますが、それを潰したのがパク・チョンヒの下で軍司令官だった全斗煥(チョン・ドファン)による軍事クーデターです。
1980年5月17日に戒厳令を敷いて政権を掌握したチョン・ドファンは、民主化の象徴であるキム・デジュンを逮捕し、この流れに大きく反発した光州で大規模な民主化デモが起こります。これを制圧すべく、軍はまったく丸腰の市民に銃を向け始めるのです……!
5月27日、戒厳軍は市内を制圧しました。光州市内の電話がこの日まで通じなくなり、メディアも情報統制されたため、光州市内で何が起きていたのかの真相は、長く明らかになることはありませんでした。
光州では、光州事件の間、空挺部隊が投入され、市民への発砲などで多くの死者、行方不明者が出ました。「5.18記念財団」によれば、認定された死者は154人、行方不明者70人、負傷者1628人に上ります。しかし、実際にはもっと多かったのでは?とも言われています。
当時の光州とは?地域差別?
当時の光州とはどういった地域だったのでしょうか?
光州は、全羅道という地域にあるのですが、1000年前の高麗時代にまでさかのぼる「地域差別」を受けてきた地方でもあります。その当時全羅道には「後百済」という国があったのですが、この国は王権を巡って長男が父王を殺した歴史がありました。
そして、「後百済」を滅ぼして誕生した高麗の祖・王建は、「後百済の人間は父親を殺すような“裏切り者”だから、以降、重要な地位には付けないこと!風水的にも逆賊の相がある!」という、遺言を残しました。
ちなみに現在の韓国の歴代大統領で、全羅道出身は金大中(キム・デジュン)のみ。
また、事件の前大統領朴正煕は、韓国の経済成長に尽力しましたが、全羅道をほとんど開発しませんでした。
現代の広州
全羅南道(ソウルの西南部)にある都市で、韓国5大都市の一つ。
昔から数多くの文人、学者、芸術家を輩出した学問と芸術の街として知られ、今でも通りに芸術家の作品を置いたり、芸術祭を開催したりと、市をあげて文化芸術方面に力をそそいでいます。
食文化については、비빔밥で有名な全州と似ていて、肥沃な湖南地方の土地と暖かな気候が豊富な食文化を発達させてきました。さらに、地名にもあるように、”光”産業にも力を入れている都市でもあります。
ソウルと光州の距離は、約268km
当時の日本は…?
ちなみに1980年、日本はどういった出来事があったのでしょうか?
自動車生産台数が世界一へ!
1980年12月、日本の自動車生産台数が1100万台を突破。米国を抜いて初めて世界一になりました。高度成長期から続いた輸出産業の右肩上がりの歴史の中でも特に輝かしい出来事と言われています。
参考:「トヨタ自動車75年史」
映画「タクシー運転手」について
あらすじ
ソウルのタクシー運転手マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。
何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。
しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。
解説
1980年5月、韓国現代史上最大の悲劇となった光州事件を題材にし、軍事独裁政権の真実を報道する事に命を懸けたドイツ人記者ウィルゲン・ヒンツペーター氏と、その彼を乗せて光州の中心部に入ったタクシー運転手キム・サボク氏の物語。
その関心の高さからか、韓国国内では1200万人を動員する大ヒットを記録している。実在した2人が肌で感じた“あの日”を、リアルにかつシリアスに描きつつも、コミカルな味付けもまた絶妙。
『義兄弟SECRET REUNION』『高地戦』のチャン・フン監督がメガホンをとり、主人公のタクシー運転手マンソプ役を、韓国が誇る名優ソン・ガンホ、ドイツ人記者ピーターを『戦場のピアニスト』のトーマス・クレッチマンが演じた。
ちいこの感想
一般の学生や市民が暴行を受け、銃撃されている様子が描かれており、光州事件の恐ろしさを感じました。
光州事件を実際に体験した方の感想を読んでいると、映画の様子は忠実に表されているという方もいれば、もっと酷かったという声も…。
映画の様子であれば、公式発表よりも死者や負傷者ももっと多いのでは??とも思いました。
※「5.18記念財団」によれば、認定された死者は154人、行方不明者70人、負傷者1628人
一般の市民の方はもちろん、同じ国民を攻撃しないといけないという軍人にもとても酷な事件であると同時に感じました。
話は変わりますが、今でも世界では、独裁政権、軍事政権に怯え、一般市民が苦しい思いをしているということを思い出すそんな話でした。
まずは映画からでも韓国の現代史を知りたい、という方には、是非見ていただきたい一作品です。
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まとめ
映画「タクシー運転手」の主題である光州事件についてでした。
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪
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